TOP ブログ一覧 Webサイトリニューアルの失敗例4選

代表/クリエイティブディレクター
松村郁弥

Webサイトリニューアルの失敗例4選

Webサイトリニューアルを予定されている企業、個人の皆様へ。

企業が成長を遂げる上で、Webサイトは必要不可欠な存在となっています。ユーザーにとって使いやすく、検索エンジンにとっても最適化されたサイトを構築することが、顧客獲得と売上アップに繋がります。

しかし、リニューアル時に適切な準備や計画が不足していると、大きな失敗を招いてしまう可能性があります。

本記事では、Webサイトリニューアルの失敗事例5選を取り上げ、そこから得られる教訓をご紹介いたします。これらの事例を参考にして、リニューアルを成功させましょう。

【失敗例01】目的とデザインが一致していない

サイトの目的やターゲット層を誤って設計してしまうと、本来のニーズに応えられなくなってしまいます。今回は、そうした失敗事例とその教訓をご紹介します。

ある企業が営業職の新卒採用サイトをリニューアルしたところ、思わぬ失敗に見舞われました。その背景には次の2点がありました。

  1. サイトのイメージと求める人材のイメージがマッチしていなかった
  2. 依頼側と制作側で目的やターゲットの認識が共有されていなかった

具体的には、同社はゆるふわな社名とはかけ離れた「成果重視で成長意欲のある営業人材」を求めていました。しかし公開したサイトは、社名の語感を反映したネオン色を基調としたデザインで、ゆるふわなイメージが先行してしまっていました。

結果として、本来の目的から外れた人材ばかりが応募してきてしまったのです。制作会社は社名イメージをそのままデザイン化してしまい、依頼側も目的やターゲットを明確に共有できていなかったことが原因だったようです。

失敗を防ぐための解決法:役割を理解し、プロセスを知る

このような失敗を避けるには、2つの点に留意する必要があります。

依頼側と制作側でお互いの役割を理解し合う

制作会社によってはデザインのみならず、マーケティング領域までサポートできるところもあれば、デザインのみを得意とするところもあります。 お互いの役割範囲を明確化し、期待値を合わせることが大切です。

プロジェクトのプロセスを依頼側が把握する

ターゲットや目的を正しく制作側に伝え、その認識を共有するプロセスを事前に決めておく必要があります。 依頼側が主導権を持ってプロジェクトを遂行できるよう、プロセスを理解しておくことが重要です。

本件の採用サイトは、経営者メッセージや社員の声を前面に押し出し、スタイリッシュで紺を基調としたデザインに生まれ変わりました。これにより、アグレッシブな営業人材を呼び込めるサイトになったのです。

ターゲットやニーズを的確に捉えたサイト設計は、Webマーケティングの成否を分けます。依頼側と制作側が緊密にコミュニケーションを取り、目指すべき方向性を共有することが何より肝心なのです。

シャバットは、デザインからマーケティング、コンサルティング、SEO・MEO等幅広い制作を得意としています。そしてWebサイト以外にもSNSや印刷物デザイン、動画など様々なクリエイティブ物にも対応。トータルに行えるため、ブランディングを強化したい方やちゃんとした成果を求める方におすすめです。お気軽に制作のご相談いただけたらと思います。無料相談はこちら

【失敗例02】企業側が伝えたいことばかりになっている

企業側の思い入れが強すぎると、ユーザーの求める情報が欠けてしまう失敗に陥ることがあります。今回はそんな事例と改善策をご紹介します。

企業が新製品を発表する際、開発した思い入れや製品の優れた性能を前面に押し出したくなるものです。しかし、一般ユーザー目線に立つと、そうした情報は次の理由で逆効果になる可能性があります。

  • 製品の詳細スペックや専門用語は難しすぎて分かりづらい
  • 開発者の想いは自社の話で、ユーザーには馴染みが薄い
  • 優れた性能は分かるが、具体的な使い勝手がイメージできない

このように、企業が伝えたい側の情報ばかりを詰め込んでしまうと、実際のユーザーには関心を持ってもらえません。結果的に、製品の魅力が十分に伝わらず購買に結びつかないのです。

失敗を防ぐための解決法:ユーザーが求める情報を考慮する

ユーザーが求める情報とは、具体的に以下のようなものです。

  • 製品を使った時の楽しさや喜びを想像できる情報
  • 自分の生活にどう役立つかがわかる具体例
  • 機能を分かりやすい言葉で説明した使い勝手の良さ
  • 利用シーンをイメージできる画像やイラスト

つまり、ユーザーの共感と感情に訴えかける内容が不可欠なのです。企業側の思い入れやスペックより先に、このようなユーザー目線の情報を提供することが大切です。

製品の魅力は、利用者がイメ ージを膨らませて初めて実感できるものです。ユーザーに寄り添った伝え方で夢を与え、さらにその上で企業の想いや製品の優位性を語れば、より深く製品の価値を理解してもらえるはずです。

スティーブ・ジョブズ氏の製品プレゼンは好例です。製品のスペックを列挙するのではなく、ユーザーの生活がどう変わるかを情熱的に語り、夢を与えていました。一見脇役のようですが、このようなユーザー目線の伝え方が、実は製品理解を深める上で主役なのかもしれません。

【失敗例03】運用・更新がしづらい設計になっている

Webサイトは紙媒体とは異なり、情報をリアルタイムに更新できる大きな利点があります。しかし、更新が滞れば企業の信頼性を損ねかねません。今回は、サイト更新の仕組みが欠如していたことで、失敗に陥った事例と改善策をご紹介します。

サイトの情報更新が滞る主な理由は次の2点です。

  • 担当者が多忙で更新作業に手が回らない
  • 更新のたびに高いコストがかかる

こうした事態に陥るのは、サイトの設計段階で更新の仕組みを意識していなかったケースが多くあります。

例えば飲食店のサイトでは、メニューの内容やキャンペーン情報、店舗での行事情報などを頻繁に更新する必要があります。新メニューが加わったり、料理の内容が変更になったりする可能性は常にあるからです。

しかし、こうした更新情報をページ全体で書き換える仕様になっていると、大きな問題が生じます。HTMLなどの知識がない店舗スタッフでは、デザインを損なうことなくページを更新するのが難しくなるのです。

一方、専門業者に更新作業を外注すれば、コストがかさむだけでなく、タイムリーな対応が難しくなります。限られた予算と人員で運営する飲食店には現実的ではありません。

こうした課題を放置すれば、結果的にサイトの情報が古くなり、企業の信頼性が損なわれてしまうリスクがあります。

失敗を防ぐための解決法:納品後の更新方法を考えて制作に入る

サイト更新の課題を解決するには、設計段階から以下の点に留意する必要があります。

  • 誰が、どのような情報を、どのように更新するのか検討する
    • 情報更新の担当者、対象情報、更新手順などをきちんと設計に反映する
  • 制作会社や担当者と認識を共有する
    • お互いの認識にズレがあれば、使い勝手の悪いサイトになりかねない
    • 丁寧にコミュニケーションを取り、齟齬がないか確認する
  • 更新のしやすさを重視した設計を心がける
    • 部分更新が可能なシステムを構築する(数値や画像の差し替えのみで済むなど)
    • 専門知識がなくても更新できる簡単な仕組みを取り入れる

具体的には、プログラムの知識を必要としないで更新可能な仕組み(WordPress等のCMS)があります。

こうした工夫を設計段階から取り入れることで、更新作業の手間を最小限に抑え、発生コストも削減できます。定期的な情報更新を怠らず、ユーザーに新鮮な情報を届け続けることが企業の信頼性向上にも繋がるはずです。

【失敗例04】社内情報が整理されていない

Webサイトは企業の重要な広報ツールですが、社内の情報やリソースが不足していると、サイト制作の段階で行き詰まってしまう恐れがあります。今回は、実際にそうした失敗に見舞われた事例と、その対策をご紹介します。

ある化粧品メーカーが新商品のプロモーションサイト制作を試みました。しかし、社内で必要な情報が整理されていない状況から、以下の課題が浮き彫りになりました。

  • 適切な制作会社の選定ができない
  • 制作会社に十分な情報を提供できない
  • サイトのコンセプトや方向性が定まらない

社内で商品情報を収集しても、カタログ写真や化学式など限られた情報しかありませんでした。さらに、現場の販売員からの生の声や顧客クレーム、営業リソースなどは別々の部署に点在していました。

結果として、サイトに掲載する情報が不足していることに気づくたびに、社内の他部署を赤面しながら探し回る事態となったのです。

失敗を防ぐための解決法:情報を社内で洗い出し、今後の運用方針を決める

このような失敗を避けるには、サイト制作に先立って以下の2点を徹底する必要があります。

  • 必要な情報やリソースを社内で洗い出す
    • 製品情報、販売データ、社内ノウハウなど、活用できそうなものを全て棚卸し
    • 不足しているものは事前に補完しておく
  • 社内の関係者で認識を統一し、方針を明確化する
    • サイトの目的、ターゲット、役割分担などを関係者で共有
    • プロジェクトの全体像を把握した上で制作会社を選定する

本件でも、最終的には現場の営業スタッフや顧客対応の社員など、さまざまな立場の社員を集め、商品の特長や顧客の生の声を集約し直さなければなりませんでした。

Webサイトは企業を代表する重要な広報ツールです。制作に入る前から、必要なリソースを整備し、関係者の認識を合わせることが肝心なのです。そうすれば、制作会社へのインプットを円滑に行え、プロジェクトの停滞も防げるはずです。全社を挙げての準備が何より大切です。

最後に:失敗から学びWebサイトのリニューアルを成功させよう

Webサイトは企業が発信する重要な窓口であり、常に最新の状態を保つ必要があります。しかし、リニューアル時に様々な失敗が起こりがちであることがお分かりいただけたでしょうか。

企業の思惑ばかりを押し付け、ユーザー目線を欠いてしまったり、更新の仕組みを怠ったり、社内の情報やリソースが不足していたりと、失敗の原因は様々です。

しかし、そうした失敗に学ぶことで、次のリニューアルに活かせるはずです。制作の上流工程から、しっかりとユーザーの視点に立ち、適切な情報を整理し準備しておけば、ユーザーに響くサイトが作れるはずです。

更新の仕組みを構築することで、サイトの鮮度を保ち続けられます。そして社内の役割分担を明確化し、全社を挙げてサイト制作に取り組めば、プロジェクトを着実に進められるでしょう。

過去の失敗を無駄にすることなく、次なるWebサイトづくりに活き、ユーザーに寄り添いながら、企業の魅力を存分に発信できるサイトを目指しましょう。

弊社(shavat株式会社)では、Webサイトのリニューアルも幅広く対応しています。ぜひ一度リニューアルに対してのご要望をお聞かせください。無料で相談をお受けしております。

記事を書いた人

松村郁弥代表/クリエイティブディレクター

shavat株式会社の代表取締役。2013年(当時中学3年生)からビジネスをスタート。2018年からWeb制作を始め、今ではデザインやプログラミング、マーケティング、撮影など幅広くクリエイティブを手掛けている。

contact

お問い合わせはお気軽に

無料でご相談・お打ち合わせできますので、
お気軽にお問い合わせください。

課題やお悩みをお伝えいただき、
最終的に制作以外の解決が良い場合も含めて
最良の方法をご提案いたします。